ポニーキャニオン最終審査

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第20話;ポニーキャニオン最終審査−

というわけで、いよいよ最終審査の日を迎えたBANANA×MUFFIN。上京し、指定されたスタジオに向かいます。ここでは、ワンキャと同じようにこれまでの審査を勝ち上がってきた猛者たちが、10組ほど集まっていました。審査が始まる前に控え室に案内されて、そこで当日のスケジュール説明を聞き、本番までお待ちください・・・ということになりました。

この時点で、いまだに情緒不安定な状態だったワンは、特異な雰囲気もあり、完全に平常心を失っていました。おかしなバイブス全開です。このときは、53も、バックセレクターを頼んでいた41(現ONEDROPセレクター)も、ワンのおかしなバイブスに気づいていたのではないか?と思います。

そんなこんなで、平常心に戻れないまま、いよいよ本番となりました。案内されてステージに上がると、客席には数十名のスーツの一団が座っていました。音楽業界関係者の皆さんだと思いますが、本当に異様なバイブスを醸し出しておりました。
ワンキャが普段歌っているのは、レゲエが好きな人たちが集まり、酒を飲んで楽しく踊って大騒ぎをして・・・という場所だったので、この 『審査しまっせ』 的なバイブスに、ワンは、またまた違和感を感じてしまったところがありました。

ステージのセッティングも終了し、MCのお二人がワンキャを紹介した後、41がリディムを流し、ワンキャは歌い始めました。歌っている間は、いつものように楽しめそうになったのですが、どこかで吹っ切れない部分があり・・・結果的には消化不良な感じでステージを終えます。その後MCの方々からインタビューを受けるのですが、うまく噛み合わず、MCの方にもご迷惑をおかけしてしまいました。
そんなこんなで最終審査が終了。審査結果は後日お伝えしますという連絡が入り、ワンキャは会場を後にするのでした。

数週間後、福岡に帰っていたワンの元へ、ポニーキャニオンから連絡が入りました。その内容は『残念ながら今回は不合格となりました』というものでした。ワンは『お世話になりました。ありがとうございました。』とお礼を告げると電話を切ります。そして、53にも不合格だったことを伝えました。ワンキャは、なんとも言えない虚無感に包まれてしまいました。

この時のワンは、本当に『ど〜でもいいですよー』みたいなバイブスで、それは53にビシビシ伝わっていたのではないか?と思います。53は、ワンを励ますためにイロイロと気を使ってくれました。しかし、それに応えるだけの元気がワンには無くて、今考えると53に本当に申し訳ないことをしたな〜・・・と反省しています。

それからしばらくして、ワンの頭の中には、1つの思いがハッキリしてきました。

島に帰ろう

ワンは、ここまでガムシャラに頑張ってきたものの将来が見えず、不安だったのだと思います。というわけで、とりあえず島に帰ってゆっくりと休みたい・・・と思っていたのでした。
ワンは、簡単に荷造りを済ませると、ちょっと帰省するつもりで飛行機に飛び乗りました。福岡空港から飛び立った飛行機は鹿児島を経由し奄美へと到着します。奄美空港に降り立ったワンを迎えてくれたのは、南国特有の熱い日差しと、湿気が少ない爽やかな南西から吹き抜ける風、そして奄美大島が持つ 全てを受け入れてくれる バイブスでした。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生
第7話;1人から2人へ
第8話;ようやく名前が決まります
第9話;月1のレギュラーで鍛えられます
第10話;幻のファーストアルバム
第11話;激動の時期
第12話;上がったり下がったり
第13話;ありそでなさそで
第14話;ダメ人間ぶり全開の日々
第15話;その時歴史が動いた・・・かも
第16話;先立つものが必要なのよ
第17話;花の都大東京
第18話;奄美でイロイロやっちゃいました
第19話;分岐点




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分岐点

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第19話;分岐点−

ポニーキャニオンの審査、奄美での初の凱旋ライブ、ともに無事終了させたBANANA×MUFFIN。その後奄美で約1ヶ月の休養を取っていたワンに大きな分岐点が迫ってきていたのですが、この時点では、その事実に本人も気付いていませんでした。

さて、一ヶ月の休養の後、福岡に戻ったワンを待っていたのは、いつもと変わらない単調な毎日でした。朝起きて、バイトに行って、夕方帰ってきて、自宅でボ〜〜〜ッとして、週末は遊びに行って・・・という繰り返しです。こういう生活を繰り返しているうちに、ワンは精神的にすごい圧迫感を感じるようになりました。そして漠然とした不安感に襲われるようになりました。そんな状態のときに思い出すのは、故郷の奄美大島のことでした。久々に1ヶ月間も奄美に滞在し、これでもかっちゅ〜ぐらい奄美の生活を満喫していたワンにとって、都会の生活は窮屈に感じていたのかもしれません。とにかく情緒不安定だったことは間違いありません。

そんな状態の時に、ポニーキャニオンから連絡が入りました。その内容というのが「最終審査に残りました。ここで合格した場合、メジャーデビューとなります。○月○日に東京でライブ形式の最終審査を行いますので、参加してください。」というものでした。なんと、メジャーデビュー目前まで迫っていたわけです。ついに来たか・・・という感じですが、当時のワンは、情緒不安定だったためか、特に盛り上がることもなく、気合が入ることもなく、かと言って悲観的なわけでもなく、・・・総合的にまとめて表現すると『ど〜でもいいや〜』に近い感じだったように思います。今思えば、かなりおかしなVIBESです。ただ、この時に『人生の分岐点に立っているのかもしれない』という感覚があったのは確かでした。

そんなこんなで、自分の人生を自分で決める時が迫っていたワン。『どうしたらいいんだろう?』とか『自分は本当はどうしたいんだろう?』と悩みつつ、悶々とした日々を送るのでした。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生
第7話;1人から2人へ
第8話;ようやく名前が決まります
第9話;月1のレギュラーで鍛えられます
第10話;幻のファーストアルバム
第11話;激動の時期
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第15話;その時歴史が動いた・・・かも
第16話;先立つものが必要なのよ
第17話;花の都大東京
第18話;奄美でイロイロやっちゃいました




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奄美でイロイロやっちゃいました

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第18話;奄美でイロイロやっちゃいました−

ポニーキャニオンのオーディションも無事こなし、続いては故郷である奄美大島でのライブがさしせまってきたワン。BANANA×MUFFINとしても慣れない場所でのライブとなるので、若干の緊張もありましたが、ワンにとっては地元でライブが出来るうれしさの方が大きく、ちょっとした小旅行といったノリでした。
というわけで、前日に奄美入りしたワンキャ。同窓生であり、当時東京で活動していたコスモポリタン・クルーの41(現ONEDROPセレクター)とフランスバスターと共に、名瀬市内(現奄美市)のアーケードなどで観光客VIBES全開でビデオ撮影などしながら友達の店をめぐったりしました。
そしていよいよ本番。会場となったのは奄美観光ホテル。ここで高校卒業の生徒さんたちの祝賀パーティーということで、BANANA×MUFFINが出演するわけです。
まずは、サウンドから・・・というわけで、コスモポリタンのプレイ。当時レゲエというものが全然浸透していなかった(と言っていい)奄美だったので、高校生たちは最初戸惑っていたようでしたが、MCを入れて少しずつ盛り上げていき、最後は総踊り大会・・・という感じでした。
その後BANANA×MUFFINの登場。わんきゃのリリック一つ一つにキッチリ反応してくれて、コール&レスポンスもバッチリ出来て、本当に気持ちよくステージをつとめることが出来ました。思わず「奄美最高じゃー」と叫んでしまったほどですから、かなり気持ちよかったのだと思います。
というわけで、無事ライブを終了することが出来て一安心し、気持ちよくビールなどを飲んで眠りについたのでした。

そして、翌日(だったと思う)

今度は、屋仁川のフェスティバル(現むちゃかな)というお店で開催されたイベントに出演させてもらうことになりました。このイベント、当時奄美で音楽活動を続けていた若者が集まるオールジャンルなイベントでした。今奄美の色々なシーンで活躍している方々が一堂に会していたと思います。
ここでも、レゲエのダンスホールスタイルやDJといったものは全く知られてなくて、ワンキャが歌いだした瞬間、みんなが珍しそうにワンキャを見ていたことを、凄く覚えています。しかし、ものめずらしさも手伝ってか、ワンキャのライブは大盛上り大会となりました。お客さんの反応が、とてもストレートで爆発的だったのが印象的でした。

というわけで、奄美で2つのイベントを無事にこなしたワン、大きな仕事が一段落してホッと一安心したこともあり、また、その後のスケジュールも特に決まっていなかったので、しばらく奄美に滞在することにしたのです。
この滞在期間中に、ワンは奄美の色々なところに出かけ、何もしないでボ〜〜〜ッと時間を過ごしていました。特に海に行くと、太陽の日差しや、潮風の香りや、波の音といった、自然のVIBESを全身で受け取っている感じがあって、本当にハマっていました。

そういう生活を約1ヶ月続けてワン、心の中に一つの思いが芽生えてくるのですが、この時点では、自分自身でもその思いに気付いていないのでした。

つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
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花の都大東京

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第17話;花の都大東京−

ドキドキしていました。ソワソワしていました。ポニーキャニオンの第3次オーディションを受けるために、いよいよ東京へ出発する日がやってきたのです。
ワンは、53より先に飛行機で東京へ向かいました。そして羽田空港に到着。高校の同窓生が車で迎えに来てくれていて、そのドゥシの顔を見たとき、ちょっと落ち着いた覚えがあります。羽田空港から車で移動し、友人宅へ。久々の再会で盛り上がったわんきゃは、早速酒を酌み交わし、夜中まで大騒ぎしていました。
翌日、53は新幹線で東京入り。ワンは友人とともに東京駅に53を迎えに行きました。53も若干の緊張があったような気がします。53と合流後は、翌日に迫ったオーディションの作戦会議(らしきもの)をしましたが・・・ただ緊張感を高めてしまうだけで、まるっきり逆効果でした(笑)。

そして、いよいよ第3次審査です。レコード会社から連絡があった四谷(・・・だったと思う)のスタジオでオーディションでした。そのスタジオに入り、受付で「オーディションを受けに来ました」と伝えると、控え室に通されました。
全国から2次審査を突破してきたアーティストの方々が、時間をずらして審査を受けているようでした。この頃は、いわゆるバンドブームだったので、わんきゃ以外は、みんなバンドの方たちだったように思います。
しばらくして、控え室でキンチョーしながら待っていたわんきゃの元に「はい。バナナマフィンさん、ど〜ぞ〜」とスタッフの方がやってきました。わんきゃはその方についていきます。・・・・で、着いた先というのが、メジャーのアーティストの方々がレコーディングで使っているであろう本格的なスタジオでした。テレビでレコーディング風景などが放送されることがありますが、まさにアレです。
まず、わんきゃが通されたのがPAの部屋でした。その部屋のソファに「ど〜ぞ、おかけください」と案内されます。ワンは、本格的なスタジオに圧倒され、若干ギクシャクしながらソファに座りました。そこに、レコーディングディレクター(だと思う)、PAのエンジニアの方(と思われる)、そしてこのオーディションでわんきゃのマネージメント担当をしてくれるスタッフの方、その他数名のスタッフの方が集まりました。
そこで、わんきゃは、2次審査でも聞かれたような質問を受け、それに同じように答え、それを聞いたスタッフの方々は終始ニコニコ・・・といった感じで時間が過ぎます。・・・で、一通り話しが終わると「じゃ、実際に歌ってください」ということになり、わんきゃはPAルームから奥のスタジオへと案内されます。

このスタジオが、またトンデモナクすごかったです。スタンディングなら200人ぐらいのキャパがあるんじゃないだろうか?と思われる広さで、天井は以上に高く・・・しかし、声の反響などは一切なく、純粋に音を録音するために完璧に作られた空間・・・という感じでした。
そのスタジオに、わんきゃ専用のマイクが2本。ヘッドホンが2つセットされていました。わんきゃがその場に立つとガラス越しのPAルームから、ディレクターの方が「ヘッドホンをつけてくれ」みたいなジェスチャーをしました。わんきゃは言われるままにヘッドホンをつけます。

「どうですか?」

ヘッドホンから、PAルームのディレクターさんの声が聞こえます。・・・スゲエ・・・ワンは、それだけで感動しました(笑)。

「今からマイクテストを行います。トラックを流しますから、レベルの確認をお願いしますね」

ディレクターさんが、そういうと、ヘッドホンにNUFF EXPECTで使ったトラックが流れてきました。普段使っている音を聞いて、ワンはスーッと落ち着いていきました。そこで、軽く声をを出して、しっかりと聞こえるか確認をします。(・・・・・のちのち、これをモニターチェックというんだということを知ります)。わんきゃはそれぞれトラックと自分の声と相手の声のレベルの調整を行ってもらい・・・しばらくして「OKです」という返事をしました。

「それじゃー、軽く歌ってもらっていいですか?」

ディレクターさんの問いかけに、わんきゃはキンチョーしながらも「ハイ」とうなづきました。それを見てディレクターさんがきっかけを出し、【Sooner or Later】のトラックが流れてきました。ワンと53は、互いにアイコンタクトをして、普段どおりにドカーーーーン!!と歌いました。
PAルームでは、わんきゃの声が部屋全体で聞こえるらしく、スタッフの皆さん全員が両手をたたいて大爆笑しながら、わんきゃの歌を聴いていました。それを見て、ワンはさらに絶好調になりガンガン歌います。ここまでくると本当に気持ちよくて、普段のライブで歌っている感覚でした。そして、無事に1曲歌い終わると

「OKで〜〜〜す。お疲れ様でしたー。」

とディレクターさんが言いました。わんきゃは、ヘッドホンを外し、PAルームへと戻ります。そこでは、スタッフの皆さんがニコニコしながらわんきゃを迎えてくれました。そして、「リリックがおもしろいね〜」とか「普段の活動は、どんな感じなの?」とか「東京に出てこないの?」とか、そんな話をした覚えがあります。
で、ひとしきり世間話が終わった後、

「じゃ、第3次審査は以上です。ありがとうございました。」

ということになりました。わんきゃは、「ありがとうございました」とお礼を言って、スタジオを出ました。
【やれることはやった】という達成感に包まれていたワン、安心したことと、貴重な経験ができたことで、いい気持ちになりながら東京の街を歩くのでした。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生
第7話;1人から2人へ
第8話;ようやく名前が決まります
第9話;月1のレギュラーで鍛えられます
第10話;幻のファーストアルバム
第11話;激動の時期
第12話;上がったり下がったり
第13話;ありそでなさそで
第14話;ダメ人間ぶり全開の日々
第15話;その時歴史が動いた・・・かも
第16話;先立つものが必要なのよ


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先立つものが必要なのよ

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第16話;先立つものが必要なのよ−

いよいよ、わんきゃはポニーキャニオンの第3次審査を受けるために、東京に行くことになりました。しかし、当時ビンボー生活ド真ん中だったワンと53、東京行きの旅費すらありません。なので旅費を稼ぐためにバイトをすることにしました。このバイトというのが、何かのビラを長崎市内の全家庭のポストに投函していくものだったと思います。福岡から長崎までの足代も出るし、結構いいバイト代になりそうだったので、2人してこのバイトをすることにしました。

で、このバイトに出発するのが朝早かったので、当時北九州に住んでいた53は、大橋に住んでいたワンの家に前日に泊まり、一緒に長崎に向かうことにしました。・・・しかし、ココで事件が発生します。
ワンは、夜の11時に53と大橋駅で待ち合わせをしました。しかし、その時間にワンがいたのは、姪浜の友人宅です。どう考えても間に合いません。そんなこんなで、結局ワンは、53を3時間ほど大橋駅で待たせてしまうという大失態をしてしまいました。53、ゴメンチャイ。

そんな事件も発生しつつ、翌日長崎に向かったワンと53。午後にはバイト先に到着し、すぐに仕事開始です。仕分けが済んだビラを抱え、担当地区まで車で移動し、一軒一軒ビラを投函していきました。長崎は坂が多い街です。あの坂をドドドドドッとダッシュしてビラを投函して疲れました。高級なマンションは一階にポストがあるので楽チンでしたが、ちょいと古めの団地になると5階建てなのにエレベーターもなし。ポストも各家の玄関のみ。なんていうものもあり、バテバテになりました。そんなこんなで1日目の仕事が終わり、その日の宿泊は健康ランドみたいなところでした。寝る場所は、いわゆる【仮眠室】みたいな大部屋で、リクライニング式の椅子みたいなヤツがベッド代わりでした。53と隣のベッド(椅子)に並んで眠ることにしましたが、なんとも切ない気持ちになったのを覚えています。
翌日は、早朝から、また同じ仕事の繰り返しでした。一日中走り続け、仕事が全て終了したのが午後7時頃だったと思います。そこから駅まで送ってもらい、博多行きの特急に乗って福岡へと帰りました。わんきゃは、電車の中で「自分へのご褒美にビールを飲もう」という話になり、電車内で乾杯しました。

帰宅して数日後、バイト代が振り込まれてきました。これで東京へと旅立つことが出来ます。わんきゃは、ドキドキワクワクしながら、東京へ向かう日をまっていたのでした。


つづく

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その時歴史が動いた・・・かも

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第15話;その時歴史が動いた・・・かも−

ダメ人間ぶり全開の日々から徐々に抜け出し始めていた頃、ワンのもとに、一本の電話が入ります。

それは、わきゃシマ奄美からの電話でした。そして、その内容は【奄美でバナナマフィンのライブをして欲しい】というものだったのです。

ワンは最初【これは何かのイタズラだろう】と思いました。DJとして活動しているとは言え、いわゆる【名も無いインディーズ】的な存在であるワンキャに、そんなオファーが来るとは思わなかったからです。そんなこともあり、なぜワンキャに声をかけてくれたのか詳しく話を聞いてみました。

すると、どうやらワンキャが作ったセカンドアルバムNUFF EXPECTが、どこからか奄美の人の手に渡ったようで、それが若い世代のシマンチュの間で話題になってきていたようなのです。そんな時、名瀬市の商工会議所(だったと思う)が高校生卒業記念パーティーなるものを開催される事になり、その実行委員を務める方々が【バナナマフィンを呼ぼう】と企画してくれたということだったのです。

ここまで言われたら断る理由はありません。ワンキャは、この話を快く引き受けさせてもらう事にしました。そして、この直後から、ワンと53は奄美ライブに向けてイロイロと作戦を練っていきました。

そんなある日、またまた一本の電話が入りました。今度はポニーキャニオンからのものでした。ワンキャが完全にダメだと諦めていたオーディションの結果を伝えるものです。ワンは「残念ながら・・・」というセリフを聞く準備も出来ていたし、奄美行きの準備でいい感じで上がっていたので、明るく電話に出ました。

担当「ポニーキャニオンの○○ですが」
ワン「はい。わざわざスミマセン。」
担当「この度の2次審査なんですが」
ワン「はいはい。」
担当「見事合格となりまして。」
ワン「はいはい。」
担当「はい。それでですね。第3次審査・・・」
ワン「・・・・・えええっ!?」
担当「はい?」
ワン「合格ですか!?」
担当「はい。合格ですが。」
ワン「うそ〜ん?・・・いや、スミマセン。ホントですか。」
担当「本当ですよ。大丈夫ですか?」
ワン「大丈夫です。大丈夫です。スミマセン。」
担当「はい。というわけで、第3次審査をデスね、○月○日に・・・」

ワンキャは、見事ポニーキャニオンの第3次審査へとコマを進めてしまったのです。

奄美ライブの決定と、オーディションの通過。想定外の出来事が2連発で起きてしまったワンと53・・・「どうしよう?」と、お互いに戸惑う日々が数日続いたのでした。しかし、いつまでもアタフタしてられません。ワンキャは「やるだけやろう」と誓い、この2つに全力を傾ける事にしたのです。


つづく

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ダメ人間ぶり全開の日々

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第14話;ダメ人間ぶり全開の日々−

ワンは、ポニーキャニオンの2次審査が終了した直後から、その手ごたえがあまりにも薄すぎたこともあり、消化不良のような感じもあったのか、虚脱感に包まれた生活を過ごしていました。

何をやるにもヤル気が出ません。ヤル気が出ないから何もしません。昼過ぎに起きて、テレビを見て、夕方になると酒を飲んで、腹が減ったらメシを食って、テレビに向かってブツブツと文句を言って、夜中になって、テレビの放送が終了した後布団に入って、リリックというか、何かワケのわからないことをダラダラと書き続けて、眠気がきたらそのまま寝て・・・・・という、今で言う【ひきこもり】のような生活を送っていました。そのくせ、周りの人にはそんな自分を見せたくないもんだから、調子よく振舞っていた部分もあり、己のダメ人間さをイヤというほど再認識した時代でもあります。

今思い出してみると、この頃の記憶というのが、本当に曖昧です。自分の記憶に残らないほどに何もしなかったんだな〜と思ってしまいます。また、この時期に書いたリリックを読み返してみると、なんだかオカシナことばかり書いています。実際この時期は【ワンは何で生まれてきたんだろう?】とか、【ワンは一体何をやってるんだろう?】とか、【ワンは、これからどうなっていくんだろう?】なんてことばかり考えていた感じがするので、リリックもそんな感じだったのだと思います。

この頃が、ワンの人生の中で一番ネガティブなVIBESの時代でした。せっかく入った大学を中退してしまったのも、この時期です。この件では、親兄弟、親戚、友人達に、多大なご迷惑をかけてしまいました。にもかかわらず、彼らは、ダメ人間のワンに付き合ってくれて、叱咤激励を送り続けてくれました。そのおかげで、ワンは、親兄弟、親戚、友人達のありがたさを痛感しました。彼らのおかげでネガティブなVIBESから抜け出すことが出来たと思っています。

当時お世話になった皆様、ご迷惑をおかけしました。また色々と支えていただいて、ありがとうございました。この場を借りて、感謝の意と、MAXIMUMなRESPECTを送ります。

つづく

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ありそでなさそで

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第13話;ありそでなさそでー

ポニーキャニオンの新人発掘オーディションに応募したワンと53。見事に1次審査を通過し、2次審査の当日を迎えることになりました。

2次審査はレコード会社の方々との面接ということで、福岡のポニーキャニオンの事務所に行きました。事務所のあるビルに入り「2次審査で来たんですが」と言うと、面接室の隣の部屋に通されました。ワンも53も初めての経験なのでキンチョーのあまり口数も少なくなってきます(笑)。
そんなこんなで30分ほど経った頃、「どうぞお入り下さい」と案内されて、面接室に入ると・・・・・7,8人いた面接官から一斉にワッと歓声が上がります。(このとき何故歓声が上がったのか、未だにナゾです)

「???。なんなのよ?。なんかオモロイことでもあるの?」などと思いつつ準備された席に着くワンと53。面接官はニコニコしながらワンキャに質問してきました。レゲエ以外のアーティストで好きな人はいますか?とか、テレビ番組はどんなのが好きですか?とか、どっちがリーダーなの?とか・・・なんか、普通のお話をしているような面接でした。

そんなこんなでアッという間に面接終了。ワンと53は面接室を出て、ホッと一息。でお互いに顔を見合わせて、こう言ったのでした。

「ダメだな。落ちたな。」

あまりにも世間話をされすぎたので、手応えのようなものが全くなかったのです。ワンは、個人的に「コレは出来レースで、2次審査受かるヤツはすでに決まっていて、わんきゃは、ただのヤッツケ仕事なんだ」とまで思ったほどでした。というわけで、この日は、ちょっとドンヨリした気持ちのまま帰宅しました。

またいつもの日常へと戻り、しばらくたったある日。意外な人から電話がかかってくるのです。

つづく

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上がったり下がったり

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第12話;上がったり下がったり−

レコード会社に【NUFF EXPECT】を送って数ヶ月経過した頃、ほとんどのレコード会社から【残念ながら・・・】という言葉で始まる【失格】の返事をもらっていたワン。さすがにヘコミ気味な毎日を送っていました。「わんきゃはセンスがないんだろうか?」「シロートが欲を出しちゃいけないんだろうか?」などと、がらにもなく悩んでいたのです。
しかし一方で【NUFF EXPECT】は順調な売れ行きでした。正確な数字は忘れましたが、かなりの枚数を作った覚えがあります。また、このアルバムは、少しずつですが福岡県外にも流出していってました。【バナナマフィン】という名前が少しずつ少しずつ広がっていくのです。
わんは、オーディションの不採用とアルバムの好調な売れ行きという現実に【バナナマフィンってイケテるの?イケテないの?どうなの?】と自問自答を続ける日々が続いていました。今思えば、一人でいる時は、かなりネガティブなVIBESになっていたと思います。

そんなある日、またレコード会社からの手紙が届きました。オーディションの結果を知らせるもので、ポニーキャニオンからのものでした。【ど〜せ、また失格だろ?】と思いながら手紙を開けるわん。そして、その中身を読んでみると

【一次審査を通過しました。○月○日に二次審査を行います・・・】

なんと、バナナマフィンは一次審査を通過したのでした。ワンは、本当にビックリしました。半ば諦めていただけに喜びもヒトシオでした。ワンはこの朗報を知らせるために、すぐに家を飛び出し、53の家に向かいます。
53の家に着くなり、ワンは53に「受かった。受かった。」と言ってました。53も最初は何のことやら判らなかったようですが、ワンがポニーキャニオンからの手紙を見せながら「オーディション。一次審査通過」というと、本当に驚いていました。

53「マジすか?」
ワン「マジマジ。○月○日に2次審査って」
53「マジすか?」
ワン「まじまじ。」
53「・・・・・どうしましょう(笑)」
ワン「・・・・・どうしよう(笑)」

ワンキャは、喜びと不安と期待と達成感とで、なんだかよくわからない状態になっていて、2人でニヤニヤしながら「どうしよう?」と言い合っていました。


つづく

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第10話;幻のファーストアルバム
第11話;激動の時期


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激動の時期

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第11話;激動の時期−

ファーストアルバムのリリースを機に、少しずつ認知されていったBANANA×MUFFIN。その後も、月イチのレギュラーをこなしつつ、いろんなトコロからオファーをもらえるようになりました。小倉井筒屋のクリスマスパーティやら、とある大学のイベント企画サークル主催のパーティー。とあるバーのDJイベント。いろんな種類のイベントでいろんなお客さんの前でLIVEを行いました。この頃、まだまだレゲエという音楽は浸透していなくて、お客さんに【レゲエという音楽の楽しみ方】を伝えつつ、自分達のスタイルを魅せつつ、というスタンスでLIVEを行っていた気がします。
順調といえば順調だった当時ですが、現状に満足できないワンは、さらに上を目指したいと考え始めました。もっともっとBANANA×MUFFINが認知されるにはどうしたらいいのか?ワンは、そのことばかり考えていました。そして考えて考えて辿り着いた結果が【全国に音源を届けたらいいじゃん?】でした。
しかし、どうやったら自分達の音楽を全国に届ける事が出来るのか、その手段が全く分かりません。悩んだ挙句にワンが取った作戦は、【レコード会社のオーディションを受けよう】というものだったのです。
ここまで考えがまとまった時点で、ワンは初めて53にワンの考えを伝えました。53は、最初戸惑っていましたが、話し合いをしていくうちに【やれるところまでやってみようか】という結論に辿り着いたようです。

2人の意見もまとまると、ここからの動きは素早いものでした。オーディションを受けるためには【デモテープ】を作らないといけません。ファーストである【ぴったしカンカンバナナマフィン】を使っても良かったのですが、ワンキャは更に質の高い音源を作るために、新たにレコーディングを行うことにしました。
まずは、トラックダウンです。自分達でレコードから録音したほか、ヒップホップのDJにお願いし、ヒップホップとレゲエをミックスしたトラックを作ってもらいました。完成したトラックを持って53が情報をかき集め見つけてきたレコーディングスタジオに行き、歌入れを行います。12曲あったのですが、全て一発録りで、しかも休憩を入れずに一気に歌いきりました。約3時間の作業だったと思います。その後ミックスダウンとマスタリングをエンジニアの方にお願いし、3週間後、ついにデモテープが完成しました。ワンキャは、このマスターをダビングし、当時オーディションを開催していたレコード会社数社にデモテープを送ったのです。
一方、せっかく作った音源なので、みんなにも聞いて欲しいよね?という話にもなりました。そこでワンキャは、このデモテープを2枚目のアルバムとして発売する事を決定。イッチョマエにジャケット撮影なんかも行いました。このときのカメラマンは、53の知り合いで当時九州産業大学か九州造形短期大学かのどちらかに通っていたカメラマン志望の女の子にお願いしたと思います。香椎近辺のアチコチで撮影しました。その写真からジャケットに使えそうなものを数点ピックアップし、自分達でデザインをして印刷をして、そして完成したものが【NUFF EXPECT】だったのです。売り出し始めると、これが予想以上の売れ行きでした。何から何まで自分達で作った思い入れのある作品だけに、感動モノでした。
20051111223613.jpg
そんなこんなで、数ヶ月経ったある日。我が家に一通の手紙が届きます。
その内容は?・・・・・次回に続きます。

つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生
第7話;1人から2人へ
第8話;ようやく名前が決まります
第9話;月1のレギュラーで鍛えられます
第10話;幻のファーストアルバム


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幻のファーストアルバム

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第10話;幻のファーストアルバム−


月1のレギュラー出演も順調にこなしていったワンと53。新たな野望が芽生えてきます。それは【もっともっと多くの人に自分たちの存在を分かってほしい】というものでした。そのためにはどうしたらよいのか、ワンと53はミーティングを重ね、一つの答えを導き出します。それが【アルバムを作ろう】というものでした。

当時、わんきゃの持ちネタは、アルバムを作るのに十分揃っていました。なので、レコーディングさえしてしまえば、アルバムの完成だろ?とカンタンに考えていたのです。

というわけで、レコーディングに望むわけですが、当時のワンキャはレコーディングのノウハウを全く知りません。なので完全に自分たちの手でレコーディングを行いました。記憶は定かではないのですが、自宅でレコードを回しながら歌い、それをそのまま録音するという、超アナログな録音方法だったと思います。しかもすべて1発録り。さらに録り直しも無し。音も相当ヒドかったと思います。・・・今考えると、よくあの品質の作品を出したなあと思います。

とにもかくにも、ファーストアルバムが完成しました。
詳細は、定かではないのですが、以下のような内容です。

タイトル;ぴったしカンカン バナナマフィン
収録曲;ナマステ/自衛隊に入らないか?/かさぶたむけたらまたかさぶた/風見しんごの歌/・・・他にも収録していたのですが、思い出せません。

アルバムができたワンキャは、マスターテープ(カセットテープですよ)
からダビングを繰り返し、100本ぐらいのテープを作って、友達に無料で配りました。このアルバムが意外と好評で、ワンキャが配布したテープがダビングを重ねられ、かなりの広範囲で流通されていきました。口コミだけで、かなりウワサが広がったと思います。

この後【バナナマフィン】という名前は少しずつですが知れ渡っていくことになるのでした。とりあえず、当時福岡でレゲエを聴いていた人たちは【バナナマフィンというDJが小倉にいるらしいぞ。なんかオモロイらしいぞ。】といウワサを聞いたことがあるはずです。

さて、このファーストアルバム【ぴったしカンカン バナナマフィン】ですが、残念なことに在庫が全くありません。当時カセットテープのマスター音源だったので、マスター自体がダメになってしまいました。個人的に数本持っていたのですが、それもいつの間にかなくなってしまいました。なので、本当に幻のファーストアルバムなのです。誰か持ってる人がいたら連絡下さい。よろしくお願いします(笑)


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生
第7話;1人から2人へ
第8話;ようやく名前が決まります
第9話;月1のレギュラーで鍛えられます



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月1のレギュラーで鍛えられます

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第9話;月イチのレギュラーで鍛えられます−


【バナナマフィン】という名前を決めたワンと53。ラッキーなことに小倉の【クーゲル】というお店で月イチで行われていたイベントに出演させてもらうことになりました。
このイベントは、スタッフも、出演者も、お客さんも、みんなが「音楽好き」でした。ヒッピホップもハウスもレゲエもロックも、という風になんでもアリのイベントでしたが、ジャンルは関係なくみんなが「音を楽しんでいた」と思います。また、集まっている人たちは皆、今の小倉のシーンを作り上げた人たちだと思います。今考えると、わんは、すごい人達の中で遊ばせてもらってたんだな〜と思っていて、本当に「大感謝」なのです。

そんなスゴイ人達が集まるイベントなので、下手なことは出来ません。わんは、本当にキンチョーしていました。しかし、せっかく与えられたチャンスを無駄にすることは出来ないので、毎日のように53と打合せと練習を繰り返し、本番を迎えました。

そして迎えた本番。いつものように下ネタ炸裂のリリックから始まり、自衛隊の歌→風見しんごの歌→かさぶたの歌→ナマステ・・・という感じで歌っていきました。最初は不安でしたが、お客さんがガッツリ盛り上がってくれたおかげで「大成功」となりました。

これをキッカケに、わんきゃは、このイベントにレギュラー出演する事になります。最初はセレクターも兼ねていたワンでしたが、ここでDJに専念することになり、バックセレクターをマッチさん(akaノリーコンダース)にお願いする事になります。快くセレクターを引き受けてくれたマッチさんには、本当に大感謝でした。

そして毎月歌うようになったわんきゃは、お客さんに飽きられないように、毎月一曲は新曲を歌うという試練を自らに与え、リリックを書きまくりました。そして、ライブで歌っては「コレはイケル」「コレはイマイチ」と反省会を繰り返すのです。このとき書いたリリックの量は、相当な数に上ったと思います。そのおかげで、言葉の選び方、フロー、ネタの切り口などなど、自分達のオリジナリティーを確立させる事が出来たと思います。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生
第7話;1人から2人へ
第8話;ようやく名前が決まります


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ようやく名前が決まります

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第8話;ようやく名前が決まります−

2人組のDJユニットとして初ステージを済ませたワンと53。初ステージで完全にハマッてしまったわんきゃは、本格的に活動を開始する事にしました。となると、まず名前を決めなきゃね〜。ということになり、53の家でミーティングを行うことにしました。

ワン「名前どうする?」
53「う〜〜〜ん」
ワン「なかなかコレっちゅうのが無いね」
53「ですね〜」

ワンきゃは、ああでもない、こうでもないと話し合いを続けました。そしてたくさんの候補が上がるのですが、なかなかピンと来るものがありません。当時、ニンジャやシャバの影響で「○○マン」とか「○○・ランクス」という名前が流行り(?)だったのですが、どうしてもそこには行きたくありませんでした。
また、この頃のテレビで「日本人のことを【バナナ】(外は黄色だが中身は白色=見かけは黄色人種だが中身は白色人種)と呼ぶスラングがある」というニュースを見たことがあり、わんの中で【バナナ】という言葉を使いたいという希望があったのでした。
しかし【バナナ】を使った名前を53と二人で考えていたのですが、なかなかいい名前が浮かびません。そんなこんなで数時間が過ぎた頃です。

ピンポ〜ン

玄関のチャイムが鳴り、53の友達がやってきました。わんきゃが名前を考える話し合いをしているということを聞きつけ、差し入れのドーナツ(「いいことがある」という某有名チェーン店です)を持って来てくれたのです。わんきゃは、とりあえず会議を中断して、差し入れをいただくことにしました。で、箱を開けてみると、田舎者のわんが初めてみるシロモノがそこにあるじゃあないですか?わんは、早速その初めて見るものを手に取り一口パクリ。・・・・・結構美味です。

ワン「ウマイね〜。これ。なんちゅう名前なの?」
友人「あ〜。これはバナナマフィンです。おいしいでしょ?」
ワン「うんうん。ウマイウマイ。・・・・・  ん!?」

このとき、ワンはひらめいてしまいました。
【バナナマフィン】・・・・・いいんじゃないの?

ワン「バナナマフィンっち名前、どうかね?」
53「DJのですか?バナナマフィンですか?」
ワン「うん」
53「・・・・・・・・・・」

53はしばらく考えていました。

ワン「バナナ(日本人)がやるラガマフィンで【バナナマフィン】」
53「おおお こじつけましたねぇ(笑)」
ワン「こじつけた こじつけた(笑)」
53「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ワン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
53「いや。いいんじゃないですか? 絶対他にはない名前だし。」
ワン「よっし。じゃ【バナナマフィン】に決めよ。」

というわけで、あれだけ悩んだ名前が一瞬で決まりました。
この瞬間からワンと53のユニット名が【バナナマフィン】となったわけです。ワンと53と53の友達と3人で「バナナマフィン、バナナマフィン」と何度も口に出して言ってみると、だんだん口になじんできました。「うんうん。いいかもしれない」・・・3人ともそう思ってきたとき、53が口を開きます。

53「ところで・・・誰が【バナナ】で誰が【マフィン】?(笑)」
ワン「・・・・・絶対聞かれるね(笑)」
友人「聞かれる聞かれる(笑)」
ワン「・・・・・それじゃ、お笑いのコンビ名みたいじゃがな」
53「うん・・・・・」
ワン「・・・・・・・・・・」
53「・・・・・・・・・・」
友人「・・・・・・・・・・」
ワン「ユニット名がバナナマフィン。一人一人は本名でよかろう?」
53「マジすか?」
わん「うん。いい。いい。決まり。決まり。」

わんは、先輩という立場を使って、なかば強引に決めてしまいました。というわけで、DJユニット【バナナマフィン】が誕生する事になります。


ここまで読んできて不思議なことに気付いた方もいらっしゃると思います。当時は2人で【バナナマフィン】だったのですが、今は、ワン一人で【バナナマフィン】と名乗っていて、53は【バナナマフィン53】と名乗っています。このあたりの経緯は後日談がありますので、その時に詳しく報告します。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生
第7話;1人から2人へ


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10月に、東京・名古屋・神戸にバナナマフィンが参上します。詳細は コチラ でご確認下さい。公式サイトでも確認できます。

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1人から2人へ

【バナナマフィンの華麗なる(?)経歴】
−第7話;1人から2人へ−

わんが小倉で初めてDJをしてから数日が経ちました。
わんは自宅でレゲエを聞きながらまどろんでいたのです。
そのとき、玄関のチャイムが鳴りました。誰だろ?と思いながら玄関を開けてみると、そこに立っていたのは大学の後輩でした。
わん「どうした?」
後輩「うん、ちょっと、話がありまして」
わん「あらら。本当。じゃ中でゆっくり話そうか?」
という感じで、わんは後輩を招き入れます。
後輩は、ふだん馬鹿話をしたりして仲良く遊んでいたヤツだったのですが、この日は少し真剣な表情でした。ワンは何の話なんだろう?と思いつつ話を聞き始めます。
わん「で?話っち何?」
後輩「実は、この前歌ってるの見てたんですけど」
わん「ああ、そうだったね〜。ありがとうね〜。オモロかった?」
後輩「ハイ。マジで面白かったです。最高でした。」
【いや〜、そこまで言われると照れるんだけどね〜】などと思いながらわんは頭をポリポリ・・・・
後輩「で、相談があるんですけど・・・」
わん「何?」
後輩「俺もあんな風に歌いたいんです」
わん「・・・・・え?」
わんは、言葉を失いました。初めてDJをしたワンを見て、この後輩は自分もやりたいと思ったのです。わんは、自分のことでも精一杯なのに、どういう返事をしていいかわかりませんでした。
わん「やりたいの?」
後輩「はい」
わん「音楽やってたの?」
後輩「高校時代にバンドやってました。ボーカルでした」
わん「・・・・・」
後輩「で、そのときに作った曲もあるんです。見てもらえんですか?」
後輩は、そういって持参したバックからノートを取り出し、わんに差し出します。わんは、戸惑いながらもノートを開けます。するとそこには、ビッシリとリリックが書かれていました。それを読んでいくと、オリジナリティー溢れるオモロイ内容が書かれていました。わんは、そのリリックを読みながら笑ってしまいます。
わん「おもろいね〜」
後輩「そうですか?ありがとうございます」
わん「これリディムに乗せて歌える?」
後輩「大丈夫だと思います」
そこから、こんな感じの歌ですといって後輩が歌い始めます。実際歌い始めると、文字で見るより更に歌の魅力が倍増しました。コレはオモロイ。純粋にそう思いました。
わん「OK。わんもまだまだだけど、一緒にやってみる?」
後輩「はい。ぜひ」
わん「うん。じゃ、頑張ってみよう。」
というわけで、わんきゃは練習を開始しました。まずは歌の練習をして、それがある程度の形になると、ステージプランを練り始めます。お互いに持ち歌が少ないので、レコードプレイもやることにしました。そして出来上がったプランが、わんがセレクター・MC・DJをやった後、後輩が「ゲスト」として乱入しドカンとDJをかます。というものです。後輩が出てくることなど誰も知らないので、これはみんな驚くだろうと、わんきゃは本番をムル楽しみにしていました。
そして、いよいよ本番。わんきゃは練習通りにステージをこなしていきます。お客さんは、わんが歌うのを期待していたようで、マイクを握ると「待ってました」といわんばかりの反応でした。ムルありがたいことです。
そして、いよいよ後輩の登場です。「今日は、この日のためにスペシャルゲストを呼んでます」わんのこのフリに合わせて、後輩がステージに乱入。お客さんは本当に驚いていました。わんがリディムをかけると、後輩は練習どおりにキレのいいフロウでたたみかけます。お客さんも大喜び。わんきゃの作戦は見事に大当たりでした。
本番の後、わんと後輩は祝勝会をしました。そこでお互いに「オモロイね」「これは続けていきたいね」という話になり、わんきゃは2人組のDJユニットとして活動していくことにしたのです。
この後輩というのが、のちに福岡DJ陣の総大将的存在となる「53」なのでありました。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして
第6話;小倉にレゲエDJ誕生


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小倉にレゲエDJ誕生!!

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第6話;小倉にレゲエDJ誕生−

デビュー戦の失敗を振り返り、ワンは一人反省会を開きました。失敗した原因はなんだったのか?それをずっと考えていたのです。レコードプレイの技術がまだまだな分、それを補う何かがないとお客さんの前に出てプレイすることは出来ないなあと考えていたのです。そして、その「何か」をずっと考え続けました。そしてひらめいたのがDJです。
ワンがレゲエにはまったのは、RUB-A-DUBがキッカケでした。奄美でのイベント【クラブケンムン】でも、RUB-A-DUBが一番楽しかったのです。あの感じを味わおう。自分が楽しめるものを提供すればきっとお客さんにも何か伝わるだろう。わんが出した結論は、コレでした。

そして迎えた2度目の出演。ワンは気合が入っていました。前日までに友人や後輩たちにも「今度オモロイことやるから見に来て」と宣伝していたので、下手なところは見せられない。それが逆にいい意味での緊張感を生み出していたのです。
前回と同じアーリータイム。しかし今回は、わんの友人たちが応援に駆けつけてくれてフロアはいい感じで盛り上がってます。
わんは、まずは普通にレコードプレイから始めました。1曲目はNICE TIMEです。これは、わんがこだわって選んだ1曲目でした。♪LONG TIME〜♪と歌が始まると、お客さんは各々気持ちよさそうにゆっくりと踊り始めました。調子に乗ってそのまま歌物を2,3曲続け、そしてダンスホール物に切り替えます。スレンテン〜ダック〜プナニー〜ミックスアップという感じで上げていきました。お客さんの反応も上々。この頃になると本当に気持ちよくプレイできました。
しかし、本番はこれからです。ワンはそれまでかけていたレコードをひっくり返しVERSIONを流し始めます。歌が始まらないのでお客さんは少し戸惑い気味でした。そこで、わんはおもむろにマイクを握り、これまで練習してきた歌を3曲立て続けに歌いました。
1曲目のスラックネスで、お客さんはビックリの表情。2曲目のナマステではわんのリリックを聴いて笑い、最後の「風見しんご」では、全員が大喜びで拍手喝采です。
一人でセレクター・MC・DJという3役をこなすのは大変でしたが、わんの一連の作戦は、お客さんに受入れられたようです。このときにワンは、クラブケンムンで味わった「感覚」を再び味わうことが出来て、本当に最高の夜となりました。

小倉にレゲエDJが誕生したこのとき、フロアで踊っていた一人の男が、ワンをずっと見ていました。この男がこの先のワンの運命を変えていくのですが、このときのワンは、そのことに全く気づきません。


つづく

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第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める
第5話;まずはセレクターとして



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まずはセレクターとして

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第5話;まずはセレクターとして−

第1回目のクラブケンムンが終了して1年が経過したある日、ワンは大学の友人から声をかけられます。

友人「今度小倉に新しいクラブを作るんやけど、手伝ってくれん?」
わん「いいけど、何するの?」
友人「キャッシャー(受付)してくれる人探してるんだけど」
わん「OKOK」

という会話があり、わんは小倉に新しくできるクラブでバイトを始めることになりました。小さな箱でスタッフは4名。とてもアットホームな雰囲気でした。
わんは最初キャッシャーだけをやっていて、出演するDJ(レコード回す方ね。レゲエでいうセレクターね。)の人たちをスタッフの立場で見ていたのですが、やはり【自分も出たい】と思うようになってきたわけです。
そこで、社長に「ワンも出演させて下さい」とお願いしました。社長はしばらく考えた後「やってみる?」という答えを出してくれました。わんは大喜びで出演に向けて準備を進めたわけです。

そして、いよいよデビューの日がやってきました。生まれて初めてお金を払って遊びに来るお客さんの前に立つ緊張感。今でもハッキリと覚えています。コレは失敗できない。なんとかして盛り上げなければ。その考えだけでDJブースに入ります。
いよいよ本番スタート。アーリータイムだったのでお客さんもまばらでしたが、ワンの緊張は極限まで達していました。機材の操作ミス連発。上手につなぐこともできません。結果、散々なデビュー戦となってしまいました。
自分のふがいなさにガックリと落ち込んでいたところに、救いが現れました。お客さんから「選曲良かったよ。次も頑張ってね。応援してるから。」と声をかけてもらったことです。わんは、「ありがたいなあ」と思い、次回の出演でのリベンジを誓うのでした。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン
第4話;リリックを書き始める



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リリックを書き始める

【バナナマフィンの華麗なる(?)軌跡】
−第4話;リリックを書き始める−

クラブ・ケンムンも無事終了し、楽しかった夏休みもあっという間に過ぎて行き、わんは福岡は北九州市に戻ってきました。
戻ってきてからのワンは、あのクラブ・ケンムンが忘れられないでいました。海辺で夜中中踊り明かして楽しかった思い出はモチロンなのですが、なにより忘れられなかったのがDJをしたときの高揚感だったのです。【リディムに乗せて言いたいことを言う。それで聞いてる人が盛り上がると超気持ちいい】という事実に気づいてしまい、そしてその魅力にはまってしまったのでした。そして、どうにかしてあの感じをもう一度味わいたい。と考えるようになったのです。
というわけで、ワンは次回のクラブ・ケンムンに向けてリリックを書き始めました。前回はドゥシんきゃの暴露話で終始してしまったのですが、最後に出てきた御曹司のリリックにやられてしまったのです。ちょっとジェラシーなんかも感じてしまったりしていたのでした。ワンもオモロイこと書いて盛り上げてやると思ったのでした。
当時のランキン・タクシー氏のリリックにもあるように「誰にだって出来るこんなDJ」という言葉を心の支えに、わんはリリックを書き始めました。
実際書き始めると、なかなか難しいもんです。うまくリディムに乗らなかったり、ブレスを入れるところがなくてコリャ歌えない状態になったりしました。しかし、そんな試行錯誤を繰り返していくうちに、ワンだけの言葉の選び方やら上手くリディムに乗せやすい言葉などを見つけることが出来ました。ここまでいくと、少しずつリリックを書いていくことが出来、ついに3曲仕上げることが出来ました。

1曲目は、完全なスラックネスです。S○Xしたいな〜というだけの内容です。コレが一番作りやすかったです。
2曲目は、御曹司が歌ったリリックにオリジナルのリリックを追加させて作った「ナマステ」です。
3曲目は、今でも時々歌うことがある「風見しんご」という唄です。風見しんご&欽ちゃんファミリーのアンセム・チューンです(笑)

リリックが出来上がると、いつでも歌えるように常に頭の中で練習してました。リディムは、当時大好きだった「DUCK」です。DUCKのイントロがあり、ここでこうしゃべって、このタイミングでサビから歌い始めて・・・という具合にイメージトレーニングばかりやっていたのでした。

そんな20歳の秋を過ごしていたバナナマフィンに転機が訪れます。


つづく

第1話;レゲエとの出会い
第2話;レゲエにドップリはまったのだよ
第3話;クラブ・ケンムン



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